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oomix888の日記

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【小説 1】ちんぽんち(3)

 

 

小人の話し方は急に遅くなったように思えた。まるでアフリカのどこかの国歌でも歌っているような話し方だった。

「いいかい。いままで僕の言ったことは大して重要じゃあなかったのかもしれない。でもこれはとびきり大切なことなんだ。きみの頭の引き出しにの中にある紙に僕が直接ペンで書きこんでしまいたいくらいに大切なんだ。いいかい、今きみのちんぽはもう昔のちんぽではない。何回も言っているようにぽんちなんだ。これは今になってはどうすることもできないしこれから先どうすることもできない。どんな革命だって過去のことは変えることができないんだ。ヒトラーだってムッソリーニだってチェ・ゲバラだって変えることができなかったようにね。だから先の話をしよう。10年前のことを懐かしむより10秒先のことを考えた方が有益なようにね。僕がさっき言ったように君のぽんちになってしまったちんぽのことは決してちんぽ弱者にいってはいけないんだ。もしこのことをちんぽ弱者に言ってしまったら君のちんぽはもう一生ぽんちにはなれないし、今こうやってちんぽの向こう側の世界、ぽんちにいる記憶も消されてしまう。もちろんあのステップの踏み方だって忘れてしまうだろう。」

すると小人はペンをマジックに変えてまた僕の頭の中の紙に書き始めた。

「さらに、大切なことの中にもレヴェルってものがあるんだ。そして今から言うことはとても高いレヴェルにあることなんだ。きみはもしかしたらだけどぽんちの存在を話してもそのくらいのペナルティなのか、と思ったかもしれないが、より大きいペナルティがあるんだ。イエロー・カードがあればレッド・カードがあるみたいにね。それはぽんちの存在を話してしまったものは一生現実と夢の間に挟まれちゃうってことなんだよ。
ロウソクの炎や煙のように消えちゃうんだよ。
プシュってね。
もうそれで終わりだ。現実と夢の間には右も左もないし過去も未来もない。ただの0だよ。ピリオドなんだよ。終わっちゃうんだ。」

小人は小さな背中をピン、と貼り直して再び続けた。

「さっきも言ったように世の中ってのは現実と夢とで構成されている。僕らの生きている今はもう昔みたいな世の中じゃあないんだ。今では現実と夢のウエイトは逆転してしまっている。今の現実は昔で言えば夢だったし今の夢は昔で言えば現実のようなポディッションにある。そんなことはそこらへんの子供だって知っている。だから現実の幸福は一時的な幸福であり夢での幸福の方が重要視されている。だからみんな夢での幸せを求むし現実での不幸は重要視しない。そういうものなんだよ。流行なんだよ。流行には逆らえないし流行が続けばそれは常識になるんだよ。
だから多くのちんぽはぽんちになりたがる。ただの夢でさえ不透明な存在なのにより不透明な存在であるぽんちを求めているんだよ。大勢、つまり普通の人が見るのことのできる夢はちんぽだ、しかし少数、ちんぽがぽんちになってしまった者、要するにキミだ。君らが見ることもできる夢はぽんちだ。ぽんちはちんぽと違いあのステップを踏むことができる。ちんぽだってステップを踏むことができるかもしれないがぽんちのあのステップとは絶対的に本質が違うんだ。君だって車はニホンかドイツの車に乗っているだろう。ぽんちのステップはそこらへんのタイヤとハンドルさえあればいいと思ってる車とはわけが違うんだ。ぽんちのあのステップは圧倒的に見える景色が違う、あのステップさえ踏めば世界が変わるんだ。君が変えることができるんだ。夢だって自由に操ることができるし、より多くの時間を夢で過ごすことができる。もちろんミラノに旅行に行くことだってできるし美人とデートだってできる。メジャーリーガーにだってなれるだろう。
君のぽんちにはもうそうすることのできる能力があるんだ。あのステップを踏むことができるんだ。
僕はいつもぽんちを手に入れた者にはいつもキチンと入念に言うんだよ。
ちんぽ弱者にはぽんちのことは言うなって。
でもね、夢で成功すると現実でもいい思いをしたくなるんだ。人はみんな誰にでも程度に差はあれ誇張癖ってものがある。それで言ってしまう。ぽんちの存在をね。詳しく言うと、ぽんちの存在を他者に伝えようとする、すると言葉として送り出される前にぽんちの記憶は消され、夜にはプシュ、それで終わりだよ。みんなぽんちを手に入れるとバカになるんだ。まるで火を手に入れたサルみたいにね。」

「あの、少し聞きたいんですけどいいですか?」

そのとき僕はどうしても確かめなければならないことが2つばかりあった。

 

「なんで僕のちんぽはぽんちになれたんですか?別に僕はたいしてぽんちに興味はなかったし、ましてや憧れもなかった、なぜより多くのぽんちになりたがっているちんぽがいるのに僕のちんぽなんですか?」

すると小人はシャーロック・ホームズが煙草を吸うみたいに優雅な手裁きで眼鏡をクイ、とあげてまた話し始めた。

「いいかい、僕の背丈は君の半分ほどしかないが君よりは150倍くらい生きているだろう。知識量も豊富だと自負しているんだ。だから必要なウソと不必要なウソの判断はつく。今はウソは不必要な状況だろう。だから本当のこと言うと、世の中の多くは2つに分けることが出来る。世の中が現実と夢で構成されているようにね。
成功だって2つに分けることが出来る。
小さい成功と大きな成功だ。
そして小さい成功と大きな成功は3つの要素によって構成、もたらすことができる。
それはね、努力・タイミング・運の3つだよ。
小さい成功のほとんどが努力:タイミング:運が8:1:1の割合で構成されている。まあ要するに受験や就職、結婚等だろう。
そして大きな成功を得る方法は2つあるんだ、1つ目は小さい成功を積み重ねて行くこと。おそらく人生の目標などはこうして辿りつくのだろう。
2つ目は運だよ。
大きな成功は努力・タイミング・運が1:1:8で構成されている場合がほとんど。大きな成功、つまりぽんちだよ、そして君には運があった。そういうことだよ。だからちんぽがぽんちになることができた。望むとか望まないとかそういう低いレヴェルのものごとじゃないんだ。だからぽんちになりたくてもなれない人もいるし君みたいな人がぽんちになることだってあるんだ。そういう決まりなんだよ。」

僕はぽんちになってしまったちんぽをまるで空虚な1点でも見つめているかのような目で見ながら言った。

「あの、もう一つ聞きたいことがあるんです。」

それは1年前に急に消えてしまった兄のことだった。

 

To be continued…